中1の学習
- 数学
『正の数・負の数』
新しい数として「-」の符号がついた数が,どのように使われるのか正しく理解しましょう。1つは「0より小さい数を表す」場合に,もう一つは「大きいと小さい」「上がると下がる」など,反対の意味をあらわす場合にも「+」の符号とともに使われます。これら2つの意味を理解しておくと,「正の数・負の数」の「大小関係」や「加法と減法」の計算方法が理解しやすくなります。小学校で小数や分数の計算も必要になるので,忘れてしまっている人は復習が必要です。テストにはこれらの計算問題のほかに「絶対値」や「自然数」の意味の理解を問う問題も出題されるので正しく覚えましょう。
次の「加法と減法が混じった計算」からは「項」というとても重要な用語が出てきます。中学の計算はこの項を使って計算をしていくからです。ここでは,「かっこのある式」を「項を並べた式」に直して計算する学習をします。これからの計算で必要となる技能なので100%習得しましょう。「交換法則や結合法則」を用いて,工夫した計算する問題もよく出題されるので,与式をこれらの法則を使って変形してから計算できるようにしておきましょう。
次に学ぶ「乗法と除法」は,積や商の符号のきまりさえ理解できれば難しくはありません。分数でわるときには逆数にしてかけるという計算方法は中学でも同じです。
この単元の最後に学ぶのが,「四則の混じった計算」です。項ごとに分けて計算することや,かっこを外して計算するための分配法則の2つは重要な技能になるので絶対にマスターしましょう。
単元の最後は式の利用です。基準の数量を「0」として,「正の数や負の数」で表したり,平均を求めたりする問題が必ず出題されます。魔方陣の空欄の数を求める問題なども出題されるので,例題を解いて慣れておきましょう。『文字式』
小学校で勉強した次の学習内容を思い出してください。①「言葉を用いた式」では,数や量がいくつの場合でも数字を入れて計算すれば答えが求められました。また②「□やxを用いた式」では求めたい数を□やxとして式を立てて考えれば答えを見つけることができました。この「文字式」の章では,①の「言葉を用いた式」を,「文字を使った式」で表していくことが主な学習になります。最初に「文字式」の表し方の約束を学びます。「積や累乗」を表すときや,「商を分数」で表すときの約束をしっかり覚えましょう。正しい表し方が,後で学習する文字式の計算へとつながっていきます。これができたら,いろいろな問題を約束にしたがって文字式で表す練習をして行きましょう。和や差を求める問題・速さや割合の問題・単位を変換する問題・面積や体積を求める公式を使う問題など,いくつか種類があるので,それぞれについて練習しておく必要があります。
式の中の文字を数に置き換えて(代入して),その値を求める「式の値」は,これからのテストには毎回必ず出題されます。負の数はかっこをつけて代入することを忘れないようにしましょう。
文字式の計算では,新たに出てくる「1次の項」「係数」「1次式」などの言葉の意味を正しく理解しましょう。これらの言葉を使って,文字式の計算方法が説明されていくので,決しておろそかにしないようにしましょう。
この後,同じ文字の項(同類項)の係数どうしを計算して求める「1次式の加法と減法」,分配法則を使って求める「数×(1次式)の乗法」,「 (1次式)÷数の除法や約分」の方法などを学んでいきます。中学では計算は文字式が基本なので,ここでの知識と理解は,今後の計算技能の習得にも不可欠です。
最後に文字式の利用の学習をします。いろいろな問題を文字式で表していきます。変化していく数量は文字で,変化せず常に一定な数量は数字で表し,小学校で学習した「言葉を用いた式」を頭の中で考えたり,書いたりして文字式を作れるようにしていきましょう。『1次方程式』
未知数を含み,その未知数が特定の値をとるときだけに成立する等式が方程式です。これを使えば,機械的な計算をするだけで,特定の値(解)を求めることができます。これまで用いてきた数式では解くことが難しい問題も,数量関係を方程式に立式できれば容易に答えが求められ,また,公式のように,式を単純化することもでき,数量が次々に変化しても,代入して利用できるなど,方程式の良さ(意義)は数多くあります。
1年生では,1次式の方程式を学習します。最初に覚えるのが「等式の性質」です。これを使って方程式を解く計算の基本的な意味を理解しましょう。続いて学習する「等式の性質」①②から発展した「移項」も使えば一般的な方程式は説くことができるので,この2つを使って,正確に素早く方程式が解けるようにしましょう。かっこを含む方程式では,分配法則を使ってかっこを外し,小数・分数を含む方程式では,「等式の性質」③を使って整数の方程式に直して解いていく方法を学びます。分数を含む方程式で用いる「分母を払う」はとても大切な計算技能ですから,必ずマスターしましょう。
数量関係を,不等号を使って表す『不等式』もここで学習します。不等式を解くことは高校で学習するので,「以上(以下),未満,~より大きい(小さい)」などの大小関係を間違わないように,不等式が立式できるように練習しましょう。
1次方程式の利用では,問題文の中にある等しい数量の関係を見つけて1次方程式をつくり,それを解いて問題の答えを求めていくことになります。未知数をxとして,数量の関係を図や表にかいて整理し,言葉の式や公式へ当てはめていくと,わかりやすく1次方程式を立てることができます。①代金と値段から購入数を求める問題,②物を配るときの過不足問題,③速さ・時間・距離の関係を使う出会い算や追いかけ算,④濃度や増減率を使う割合の問題,⑤親子の年齢や位の数の数量関係を使う問題などが,頻繁に出題されます。小学校でも学習した「速さや割合を求める公式」は必須です。
方程式を立てるにあたっては,わかっている数量とわからない数量xをはっきりさせること(ただし,わからない数量が答えとなる数量とは異なる場合もあるので注意)や,表や図で表すことができること(表の作成にも時間がかかるので,慣れてきたら図に表したほうが有効)に留意しましょう。また,難問として,方程式をつくる前に,単位量当たりの数量を求める必要がある場合もあるので,頭の片隅に置いておきましょう。
数量関係を不等号で表す不等式や,比例の関係を使った比例式も方程式と同様に立式できるように練習しましょう。数学を学習するうえで避けて通ることができない技能です。多くの問題に取り組みましょう『比例と反比例』
小学5年生で学習したことをより深めていく追加の学習です。それとともに,今後の数学の中心となる関数の基礎を学んでいく学習にもなります。
小学校では,ともなって変わる2つの数量xとyの関係を表(xとyの対応表)に表し,比例では「xの値が2倍,3倍…になると,yの値も2倍,3倍…になる」と,表の数字(値)を横に見ることから学習しました。中学では,表の値を縦に見たときの値の関係をもとに,比例や反比例を文字式に表していくことから始めます。
xとyに比例の関係があれば,y÷xは常に定数aになり,反比例の関係ならば,x×yが定数aになることから,比例の式y=ax,反比例の式y=a/xが成り立ちます(aは比例定数)。数量関係を表す文章や対応表を調べ,比例・反比例・その他の関数に判別できて,比例の式・反比例の式がつくれることは基礎基本になります。また,式に使われるxとyは,対応表の変数(xの値,yの値)を意味していることや,a,x,yの3つのうち2つの値が分かっていれば,残りの値を求められことも理解したうえで,練習問題を徹底的に行いましょう。比例の問題には,変域を求める出題が含まれることも多いので,不等号を用いて,比例の関係が及ぼす範囲を答えられるようにおきましょう。
続いて,比例の式や反比例の式から,グラフをかく学習へと進みます。式に使われるxとyは,グラフではグラフ上の座標(点の位置)を表すx座標,y座標になることを理解して,式からグラフがかけ,グラフから式をつくる(グラフを読む)ことができるようにしましょう。
比例のグラフは,①原点を通る直線で,②比例定数aが塀の場合は右上がり,負の場合は右下がり,③aの絶対値が大きければ立った形のグラフ,小さければ寝た形のグラフになることも併せて覚えましょう。反比例のグラフは,原点について対称な双曲線になるので,x座標,y座標がともに整数となる座標を対応表から調べて点を打ち,なめらかな曲線で結んでえがくことになります。そのため,反比例のグラフは少し面倒ですが,比例定数aがいろいろな場合のグラフをかいて習熟しておきましょう。…以下,比例・反比例の利用へと続きます - 理科
『植物の世界』
「身近な生物の観察」が最初の学習です。あなたの学校周辺の草花を観察し,植物地図を作成することを通して,観察の仕方やスケッチの方法,植物ごとの生育場所を学んでいきます。ルーペや双眼実態顕微鏡の使い方は必ず出題されるので,授業でも積極的に使い正しく覚えていきましょう。日光の当たり方や湿り気の違いと生育している植物の関係が出題されます,水の中にすむ小さな生き物の観察も行います。これに用いる顕微鏡の操作方法は詳しく問われるので,部分の名前や操作手順・注意点など覚えましょう。観察した小さな生き物の名前が,図や写真を見て答える問題もよく出ます。
続いて,「植物のつくりとはたらき」の学習になります。学習内容の改定によって,詳しい「はたらき」については2年生へ移行されたので, 「植物のつくり」が中心になります。植物の花・葉・茎・根のつくりを詳しく観察していきます。花のつくりでは,花びら(花弁)の付き方や枚数,おしべ・めしべ・がくについて植物ごとに観察し,共通点や相違点を学習します。めしべの中「子房と胚珠」についてはよく出題されます。成長して何になるかは確実に問われます。さらに,花のつくりから,種子植物を「被子植物」と「裸子植物」に分け,それぞれの「葉・茎・根」の特徴が説明できるようにしましょう。葉のつくりでは「葉脈の違い」「気孔と葉緑体」について,茎では「導管と師管」「維管束のつくりについて,根では「主根・根とひげ根」「根毛」について問われることが予想されます。
後半には,植物の分類について学習します,分類する観点(子房の有無・発芽時の子葉の枚数・花弁のつくり)や分類名を覚え,身近な植物の仲間わけができるようにしましょう。種子で増えない植物もあります。「シダ植物・コケ植物」の胞子による増え方・種子植物と異なるつくりを覚えましょう。
この単元の最後が,新しく1年生で学習することになる「動物の仲間分け」です。「肉食動物」と「草食動物」の体のつくりが食性の面から異なる理由を学びます。さらに,現在地球上に存在する5種類の「セキツイ動物」の呼吸法・体温調節・子の生まれ方・生活場所などを理解し,身近な動物が正しく分類できるようにしましょう。最後に「無セキツイ動物」の代表として,昆虫などの「節足動物」や,イカ・タコなどの「軟体動物」について学習します。体のつくりを中心に覚えましょう。『身のまわりの物質』
私たちの身の回りにあるさまざまな物資について,その特徴や性質,分類の仕方などについて調べていきます。これから学習していく理科の主に化学分野の基礎になる単元です。最初に学ぶのは「物質の調べ方や見分け方」です。物質の調べ方にはどんな方法があるかを覚えましょう。
続いて「金属と非金属」について学習します。金属の性質やその確認法は今後も繰り返して出題されるので大切です。金属でない物質にはどんなものがあり,金属とはどこが異なるのかを説明できるようにしよう。次に金属の種類を見分ける方法として「密度」を学習します。密度は物質ごとに決まっているので,金属だけでなくその他の物質の区別も可能なので,新語の「質量」と「体積」を使って密度が計算きるようにしよう。併せてここで使う実験器具「メスシリンダーと上皿てんびん」の正しい操作方法も必ず出題されます。
砂糖・食塩・でんぷんなどの白い粉末を見分けるにはどんな方法があるかも学びます。ここでは,金属を調べる場合と異なる方法や粉末ごと変わる結果について問われます。また「ガスバーナー」の正しい取り扱い方も出題されます。観察から,白い粉末を「有機物と無機物」に分けられることを覚えます。「有機物」とはどんな物質で,どのような特徴があるのかが説明できるようにしよう。身の回りで利用されている有機物の例として,さまざっまな「プラスチック」製品があります。プラスチックに共通する性質や用途によって種類が異なることを覚えましょう。
次章では,「気体の性質」を学んでいきます。「二酸化炭素・酸素・水素・アンモニア」について,それぞれ次の観点で覚えていきましょう。気体の性質(重さ・におい・水への溶け方),気体の発生方法(必要な薬品や集め方),気体の確認方法とその結果など。表などにまとめて必ず覚えましょう。発生させた気体を集める方法(置換法)は,図にかいて示せるようにしておこう。実験に伴う危険防止のための注意点もよく出題されます。
後半は水溶液の性質から。砂糖・デンプン・食塩の水溶液を使い,最初にろ過の方法を学びます。正しいろ過の仕方はよく出題されます。物質が水に溶けるとはどういうことなのか,水に溶けている物質の種類によって,ろ過後の液はどう違うのかなどを説明する問題も出題されます。「混合物」と「純粋な物質」については区別できるようにしましょう。「濃度」の計算は複数出題されます。「溶質」や「溶媒」の意味を理解し,公式を用いて「濃度」だけでなく「溶質」「溶媒」も求められるようにしておきましょう。続いて,物質の「溶解度」の学習です。温度による物質の溶ける限度の量を表すラフを使って,溶けている物質の量や再結晶する物質の量を求めたり,溶解度の変化が大きい物質(硝酸カリウム)と,小さい物質(食塩)とでは,水溶液から純粋な物質を取り出す方法が違いことを説明したりします。
単元の最後は,物質の「状態変化」です。温度によって固体・液体・気体と変化する物質の様子を,粒子のモデルや,ロウ・エタノールを入れた袋の変化を描いて答える問題や,状態によって体積・質量・密度がどう変化するか説明する問題などがよく出題されます。また,いろいろな物質を加熱して,状態が変わるときの温度変化を調べるグラフから,物質がどのような状態になっているかを答える問題や,混合物の溶液に含まれている物質を,「沸点」の違いを利用して取り出す「蒸留」に関する問題も頻繁に出題されます。『光・音・力』
光源から出た光はまっすぐに進み,物体に当たると物体の表面ではね返って目に届く。実験を通して,この光の「直進」と「反射」の性質を確かめ,学習に入ります。この実験の方法や結果を問う出題がよくあります。続いて,「空気中を進んできた光が,透明な物体(水やガラス)へななめに入射するとき,光はその境界面で曲がる」という光の「屈折」の実験も行います。「入射角・反射角・屈折角」は,反射面や境界面に垂線を立て,垂線と光線がつくる角になります。間違って覚えることが多いので注意しよう。ここでは,「入射角と反射角が等しい(光の反射の法則)と,空気中から透明な物体へ入射するとき,屈折角は入射角より小さくなり,逆に,透明な物体から空気中へ入射するとき,屈折角は入射角より大きくなる(光の屈折の法則)や,「全反射」がどんな場合に起こるのかも正しく覚えましょう。
次に,凸レンズのはたらきを学びます。ここでは凸レンズを入射した光の進み方を学習します。①光軸に平行に入射する光,②レンズの中心を通る光,③焦点を通過後レンズに入射する光,の3つの場合について覚えましょう。これらの決まりを使って,凸レンズで物体の姿をスクリーンに映す実験で,物体とレンズとの距離を変えると,スクリーンに映る像の大きさや向きがかわることや,スクリーンに像は映らず,凸レンズをのぞくと「虚像」が見えることを,作図問題で示せるようにしましょう。「焦点や焦点距離・「実像」などの語句についても理解しよう。
2章の「音」の学習に入ります。音源が振動することによって空気を振動させ,その振動が次々に波のように広がって伝わり,耳の鼓膜を振動させることで,私たちは音を感じます。モノコードを使って,「音の大小と振幅の大きさ」「音の高低と振動する回数(振動数)」の関係を調べます。コンピュータやオシロスコープに映る波形から,どんな音なのかを選択する問題や,弦の長さを変えると音はどう変化するかを問う問題が必ず出題されます。また,振動数の等しいおんさを並べ,一方を鳴らすと他方も鳴りだす実験をした場合は,この「共鳴」に関する出題もあります。
目では見ることができない力とは,日常生活の中で,どんなときにはたらいているのかとい観点から学習に入ります。力がもつ3つのはたらき,「①物体の形を変える。②物体の運動のようす(速さや向き)を変える。③物体を持ち上げたり支えたりする」は,確実に理解しましょう。この学習では,力を加えているものと,力を受けているものが,何なのかを力の矢印を使って記入させる出題があります。矢印の始点は,力のはたらく点(作用点)を,矢印の始点は,力の大きさを,矢印の向きは,力がはたらく向きをそれぞれ表すことを覚えましょう。垂直抗力や摩擦力のように,物体どうしが接している場合と,重力や磁石の力のように,離れていてもはたらく場合とがあるので,矢印の始点の位置は,とくに注意しましょう。
力はばねばかりを使って,N(ニュート)という単位で表します。1Nは,100gの物体にはたらく重力の大きさにほぼ等しくなります。ばねを使った装置で,同じ質量のおもりの個数を変え,ばねの伸びる長さを調べる実験を通して,「ばねの伸びは,ばねを引く力の大きさに比例する」というフックの法則を学習します。伸ばねの伸びる長さやおもりの質量を,比例式を用いて求めることができるようにしましょう。ここでは,測定値をグラフに書かせる問題や,上皿てんびんの正しい使い方を問う問題も出題されます。また,「重力」と「質量」の違いも説明できるようにしておきましょう。
次に,「圧力」についての学習です。圧力とは,物体どうしが触れ合う面に力がはたらくとき,「その面を垂直に押す1m2あたりの力の大きさ」のことで,「Pa(パスカル)」という単位で表します。圧力を求める公式は,必ず暗記し,圧力だけでなく,「面を押す力」や「力がはたらく面積」も,計算できるように例題に取り組みましょう。
続いて,水中ではたらく力(水圧)についての学習です。水中にある物体に,力はどのようにはたらくのかを。ゴム膜を使って実験します。実験結果はそのままテストに出題されるので,図で表せるようにしましょう。水圧は,「その場所より上にある水の重力によって生じ,深くなるほど大きくなる」ことや,水中の物体の底面に上向きにはたらく力は,物体の上面に下向きにはたらく力より大きくなるので,「水中の物体は,上向きの力を受けている」ことを理解しましょう。そして,この力を「浮力」と呼ぶことも覚えましょう。「浮力」は,①水中にある物体がおしのけた水の体積の質量に等しいこと,②水に入れた物体の水に沈んでいる部分の体積が大きくなるほど大きくなること,③浮力の大きさは深さとは無関係であること。の3つを押さえておきましょう。
最後は,大気中ではたらく力(大気圧)です。大気圧は,①大気と触れている物体のあらゆる面に垂直にはたらき,②触れ合う面1m2あたりにはたらく空気の重力の大きさ「PaやhP a」で表す。このため,③標高が高くなるほど上空にある空気の量が少なくなるので,大気圧は小さくなる。ことを学習します。また,風船や空のペットボトルのように密閉されているものは,中にある空気よって,内側から外側へ,外気によって,外側から内側へ,大気圧がはたらきあっていることも理解し,高い所に登るとペットボトルが縮んだり,吸盤フックで荷物を吊り下げることができたりする理由を問う問題に対処できるようにしておきましょう。『大地の変化』
日本列島には,さまざまな姿形の火山が存在します。初めに,火山の形とそれを形成するマグマ(地上に現れた溶岩)の性質との関係を学びます。地球内部の熱によって地下の岩石が溶けたものであるマグマが,地表付近まで上昇して噴火が起こります。このとき「マグマの粘り気」の違いによって,「噴火の様子」や,溶岩が固まってできる「火山の形」変わります。この関係が出題されるので,教科書等の写真を見比べながら覚えましょう。それぞれの形の代表的な火山名も知っておきましょう。次に,噴火の時に火山から噴き出す「火山噴出物」や,マグマが冷えてできた小さな粒に含まれる結晶¬である「鉱物」の種類を学習します。鉱物についての出題は多いので,代表的な鉱物の名前と,色(無色=白っぽい,有色=黒っぽい)や,形(割れ方や形状)を写真で確認しながら覚えましょう。
マグマが冷えて固まった岩石「火成岩」を「火山岩」と「深成岩」に分類し,そのつくりの違いを,マグマの冷え方と関連付けて学習します。火山岩は「石基」と「斑晶」からなる「斑状組織」,深成岩は,同じくらいの大きさの鉱物が集まった「等粒状組織」で造られていることや,組織の違いは,マグマが冷えて固まった場所や時間に関係することを表などにまとめて理解しましょう。必ず出題があります。
続く2章は,日本でたびたび大災害をもたらす「地震」について学びます。初めに,①揺れの大きさの表し方,②同心円状に広がる揺れ,③揺れを伝える地震の波について学習します。ここでは,「震度」と「マグニチュード」の意味の違いを説明したり,揺れが起こった時刻の違いから震源地を見つけたりする問題がよく出題されます。また,揺れが起こった場所や時刻,揺れの大きさを表すグラフなどの資料から,①初期微動を伝える「P波」と,主要動を伝える「S波」の速さ,②震源での地震発生時刻,③震源地から揺れが起こる地点までの距離や波の到達時刻などを,計算して求める問題が数問出題されます。複数の資料から,「速さ・距離・時間」の関係式や,「初期微動継続時間は,震源の距離に比例する」ことから比例式を使って求められるよう,多くの類題を解いておこう。
次に,地震が起こるしくみについて学びます。「プレート」や「断層・活断層」の語句は正しく理解しましょう。これらの言葉を使って,「プレートの境界で起こる地震」と「プレートの内部で起こる地震」のメカニズムを説明できるように,まとめておきましょう。地震がもたらす災害の種類や,海底の隆起によって津波が起こるしくみは,近年よく出題されています。どちらも,教科書にはわかりやすく説明があるので,大いに参考にしましょう。
地表面に露出した岩石が,気温の変化や風雨のはたらきでもろくなり「風化」,川の水や氷河によって削り取られ「浸食」,流水によって,岩石の破片は土砂となって下流へと運ばれる「運搬」,水の流れがゆるやかになると,静止して積み重なる「堆積」。地層は,これらの自然の力がもたらす作用によって造られることを覚えよう。ここでは,①土砂は粒の大きさによって「れき」「砂」「泥」と呼ばれること。②粒の大きいものから海岸近くに堆積するので,沖に向かって粒は小さくなっていくこと。③積み重なった堆積物が,その重みで押し固められ,長い年月をかけて固まって地層ができること。④下部に古い地層,上部に新しい地層と順に積み重なっていくこと。などについて,理由や説明を求める問題がよく出題されます。堆積物が固まってできた堆積岩のうち,「れき岩・砂岩・泥岩」は粒の大きさから,「石灰岩とチャート」・「凝灰岩」はその成分から分類されます。石灰岩とチャートの見分け方や,凝灰岩が堆積した理由も答えられるようにしておきましょう。
地層が堆積した当時の環境を知ることができる「示相化石」と,地層が堆積した地質年代を知ることができる「示準化石」に関する問題は必ず出題されます。「示準化石」は,ある時代にだけ栄えて,広範囲にすんでいた生物の化石という条件や,地質年代ごとに生存していた生物の種類なども押さえておこう。
大地は長い時間をかけて少しずつ変動している。大陸プレートと海洋プレートの接するところで「地震」が発生する理由も1章で学習しました。ここでは,「隆起」や「沈降」という地盤運動や,地震を起こす力ともなる「しゅう曲」や「断層」などの地層の変化について理解しましょう。
最後は,地層を調べ,大地の変化の歴史を探る学習です。露頭の観察から,いくつかの柱状図を作成し,それらを比較して,地域全体の地層の広がりを推測することができます。①標高に合わせて柱状図を並べ,②かぎ層をもとに地層の境目をつなぐことができるようにしよう。柱状図からは,地層の新旧・地層の傾き・堆積した時の状況・火山の噴火・環境の変化など,さまざまな発問が予想されます。そのため,多くの問題に取り組んで,慣れておくことが大切です。